この記事をザックリまとめると…
- 現実主義者にはもってこい?お金と時間と手間のかかる食事が一本約360円のドリンクで置き換えられる
- 実際にソイレント カフェ・チャイ を試した感想
- たまにご飯をソイレントで置き換えるとものすごい時短効果があるかも
子どもの相手に日々走り回ってると、どうしても自分自身のケアがおろそかになりがちですよね。私自身、授乳中だから食べなければと思い、面倒でもランチを一人でも食べるようにしていますが、出産前は一人ならランチをスキップすることは多々ありました。
それが、約400mlのドリンクを一本飲むだけで栄養バランスのとれた食事になるのなら、育児でバタバタしているママさんたちへのすごい時短に繋がるな、と思い試してみました。
その名もSoylent (ソイレント)です 。
Soylentとは
環境にも優しく、健康にも優しく、人間の体に必要な栄養素を一つの飲料で網羅する、とうたっている製品です。ロサンゼルスのRosa Labsというスタートアップによって作られています。
Soylentの共同創設者でCEOのRob Rhinehartさんは、元々、シリコンバレーにあるスタートアップでソフトウェアエンジニアとして働いていました。その頃は日々冷凍のアメリカンドッグやラーメンを日々食べていたそうです。
そのような特に健康的でもなく楽しむためでもない食事に費やす労力とコストに対してフラストレーションが溜まっていき、そこから一日に必要な栄養を手軽に全て摂取できる食べ物を作るというアイディア、”Maximum nutrition with minimum efforet” に思い至りました。
2013年に発売開始後、特にテック業界のエンジニアの中で人気が広がっていき、投資家達からは累計約81億円 ($72M $1=112円換算)の資金を調達しています。
現在は、2013年から販売され続けている水に溶かして使うパウダータイプと、2015年から発売が開始された飲みやすいように加工されたボトルタイプのもの (カフェイン入りライン・カフェイン無しライン) のラインナップがあります。

2017年の夏に新たにカフェラインにCafe VanillaとCafe Chaiが加わり、いつの間にか見た目も結構おしゃれになっていて、これは試してみてもいいかなという思いになり、Cafe Chaiをオーダーしてみました。12本セットで、通常$39なので、一本辺りのお値段は$3.25 (約364円) でした。
実際に飲んでみた

テクスチャーは牛乳より濃い感じで、ちょうど生クリームの入ったこってり気味の飲むヨーグルトと似たとろみ具合。甘さは極控えめで、飲んでいるときの味は飲みやすいけど、飲んだ後で舌にまとわりつく感じが残ります。
アメリカで便秘のときに飲むものとして広く普及している”Milk of Magnesia” (原料は水酸化マグネシウム) という製品があるのですが、数年前にそれを飲んだときのことを思い出しました。
アメリ人の友人からは「どの家庭にも戸棚にストックがあるくらいのものよ」と言われておすすめされたものです。彼女のコメントの真相は確かではありませんが、ドラッグストアではほぼ必ず見かけるので、日本でいう正露丸的なもの (用途は逆ですが…) なのかなと思います。
Milk of Magnesiaは、特にそれ自体に味がついていてまずいというわけではないのですが、液体の中にその存在を満遍なく感じる小さな粒子が舌の上にまとわりつく感じがすごく嫌でした。一回の服用量は30mlとか45mlとかでしたが、その量でも途中から飲み込むのがしんどくなってしまった記憶があります。
Soylentも一気に飲んでしまったらいいのかもしれないけれど、まずは味わいを試してみようと少しずつ飲んでいたので、途中から舌へのまとわりつきが気になってなかなか飲み進めなくなってしまいました。
後味は独特です。何に例えたらいいのか…私だけかもしれないけれど、パテを食べた後のような後味がする気がしました。キャノーラ油やひまわり油が原料に使われているので、この油分によるものなのかもしれません。(夫からはこのパテという意見には賛同してもらえませんでした。)
少しずつ飲んでいたので、半分も飲まない頃から結構満腹感がありました。
お昼前にはお腹が空いたから、Soylentを飲むだけじゃなくて、顎で咀嚼するような行為をしたいな〜と思っていましたが、チビチビ飲むのでなかなか減っていかないグラスと格闘しているうちに食べたい・顎を動かしたい気持ちは去って行きました。
最初の数口は結構イケると思っていたのですが、結局半分くらいから中々飲み進めず、最後は覚悟を決めて一気飲み。ボトル一本分を飲み終えるのに1時間半もかかってしまいました。笑
ランチに飲んでから夕食までの間は、特に空腹を感じることもなく、何も間食せずに過ごすことができました。
授乳中の使用について
私は授乳中のため、普段はなるべくカフェインを取らないようにしているのですが、Soylent の Cafe chai のカフェイン含有量は30mgでした。コーヒー100ml辺りの含有量が約60mgなので、この点は夜でなければ気にしなくていいかなと思いました。
Soylent製品全体については授乳中の服用に関して、懸念点があるのかどうかボトルへの表示も特にないので、不明だったので問い合わせをしてみました。
お問い合わせフォームで連絡して3分後にメールが返ってきました。
「現時点では、授乳中の使用について評価を行っていないので、栄養素を見ながらかかりつけのお医者さんと相談することをお勧めします」とのことでした。
特に危険なものはないけど、何かあった場合に会社としては責任は取れないから、自分責任でよろしくねってことなのだろうなと解釈しました。(注釈しておくと、私も授乳中の方でも安全ですよ、とお勧めしているわけではなありません。)
参考までに以下に返信メールをそのまま添付します。
Thank you for getting in touch! At this time Soylent has not been evaluated specifically for breastfeeding mothers.
We highly recommend reviewing the nutrition facts with your medical provider to determine if Soylent is a good fit for your needs. Our ingredients are available for review online:
http://files.soylent.com/pdf/soylent-drink-nutrition-facts-en.pdf
http://files.soylent.com/pdf/soylent-nutrition-facts-1-8-en.pdf
http://files.soylent.com/pdf/soylent-cafe-nutrition-facts-en.pdf
おすすめの活用法
飲み方については、なるべくチビチビのみでなく、一気飲み干すこと。途中で飲めなくなってきたら、一度お水を飲んで口の中をリフレッシュすること。飲み終わったら歯磨きをすること。
…と書くと、Soylentが好きな方たちから怒られてしまいそうですね。これを「とってもおいしい!」と書いている評価もネット上で多々見かけました。なので、上記の感想は一個人の感想として受け取ってくださいませ。
Soylentは毎日飲むようなものではなくて、本当に忙しくて時間がないっていうときに食べないっていう選択肢よりはいいんだろうなと思います。あとは、災害時のための防災袋の中には数本備蓄しておくとすごく役立つだろうなと思いました。
家庭の中で、食事の代わりにドリンクで済ませるとなると、置き換えは夕食ではなく朝食や昼食が現実的かなと思います。
例えば昼食をSoylentに置き換えると、「作る時間」「食べる時間」「後片付けをする時間」の少なく見繕って30分が浮いた時間になります。
たまに忙しい日にランチを準備するのをやめて、Soylentに置き換えてみるだとか、夫のお弁当を準備するのをやめて、Soylentを一本渡してみる。そうすることで、たまには「時短」するのもいいかもしれませんね。
Soylentで栄養を摂取した後は、普段の食事のありがたさが身にしみると思います。たまにはそういったものを導入して、普段当たり前になりつつある「食事」への感謝を家族でできるといいですよね。
日本版Soylent
ちなみに日本ではSoylentは未発売ですが、日本版Soylentと言われるもので、「COMP」という商品があるようです。
『完全な栄養を、完全な手軽さで。』
COMPは、ヒトが生きるのに必要なすべての栄養素を、理想的に補える「完全食」です。寝食惜しんでもやりたい仕事や趣味がある人々に、栄養と時間を提供することで、目的達成をサポートします。
COMPもSoylentが操業開始時期にやっていたのと同じように、ドリンクを作るためのパウダーを発売しています。2015年10月に会社が設立されてから、すでにユーザーは10,000人を超えているそうです。
COMPのウェブを見ていると、個人的には、ドリンクより噛むCOMP GUMMY(500円)が気になりました。

UHA味覚糖との共同開発なところも、味に期待ができそうです。これについては、夫が日本出張の際に入手してきてもらって試してみようかなと思います。もし試された方は是非感想聞かせてください!
今回は育児とは直接関係はないけど、日々の生活での「時短」をテーマにフードテック業界よりSoylentのお試しレポートでした。